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サハラマラソン挑戦記
挑戦者: ソフエ    タカシ
祖父江 貴 男性 58歳
レース: 第31回サハラマラソン
成績: 総合順位178位 (日本人1位)

祖父江貴 58歳 日本人ではTOPで第31回サハラマラソンをゴール。総合順位178位

「国境なきランナーズ©」の依頼で、2016年4月10日から開催された、31回サハラマラソンの挑戦記を書かせていただきます。

プロローグと練習

なぜ参加したのか?

理由はいくらでも挙げられますが、一番は”流行りだからが最も納得がいく答えかと思います。マラソン歴は18年ステージレースの経験はなし、ウルトラは10時間9分が最高タイム。

昨年の9月より、レース専用のバックパックを購入して、砂袋10kg背負ってランニング。通常は月間走行距離300km程度(バイクの練習もあるので)。年明けより近くのビーチで砂地を走る練習。往復4kmを週4は2往復+行き帰りで20km。週1回は8?10往復(砂地のみ)。 2月、3月は500?600kmの走行距離。でも仕事が忙しくて休みが取れず

ロングは、レース1週間前に90km程度山間部を1回走ったのみ。(いずれも荷物背負ってます)

レース紀行

4月8日

パリのオルリー空港から朝6時のチャーター便でモロッコへ。機材の故障て?2時間近く遅れ11時頃にワルザザート(Ouarzazate)到着。

その後、バスで移動(約6時間)、17時ころ砂漠のキャンフ地に到着。No47のテントを割り振られ日本人8人で宿泊。テントは屋根だけで、支柱も木の枝というナチュラルなスタイル。でもシー トは、羊毛のラク?て?した(結構心地よい)。

初めての経験ばかりですが、風か?強く吹 いてなくてもかなり砂が舞っています。トランクはバック?を開けっ放しにしているとすぐに砂だらけに。テジカメはすぐに使えなくなったランナーが結構いました。スマホは 動いています。

今晩と明日の3食は主催者が用意してる食事(バイキングでわりと美味しい)20時ころ日暮れとともに就寝。

4月9日

昨夜は、なれない風と砂に苦しめられましたが、疲れていたのか割としっかり 睡眠とれて安心。

今朝は、レース携行品のチェックを受けてゼッケンをもらいます。フロントバッ ク?を使うかどうかて?思案しましが使うことに。携行品とバックて8kg強 でした。水入れると10kg弱になります。食料は、ぎりぎり14000calでした。

 あとはすることなくてみんなでテントを改良。屋根を低くして、入り口をなるべく塞ぐと砂の入り方が減ったみたい。

4月10日 ステーシ1:34km

レース初日。天候晴れ、風は弱風(レベルはわかりませんが)。セレモニーが30分ほどあって、いよいよスタート。先頭から1/3のあたりで様子見です。3kmくら いはフラットて?(もちろん砂地ですが)集団は6分前半/1kmのペースで流れてます。 しか し3km過ぎてから砂丘の連続。初日のためハイテンションなのか、砂丘に入っても CP1(15km)まではかなりのペースで走りました。でも勢いはCP2(25.8km)まで。

そこから前半のオーバーベースがたたり、足が痙攣。走れなくなりずっと砂丘 を歩く。歩くといっても砂が深くて登りは手も使って這い上がり、下りは転がる感じ。ゴールまでの9kが永遠に感じました。最後は地元のゼッケン012番の選手が手を引っ張ってくれてゴール。
(ガーミンのロク?:32.25km、5:31、高度700m位の UPDOWN)
1日1食(レース中はpowerbarとshotz)で計算してましたが、初日後半は、ハン ガーノック状態でしたので、明日からはアルファー米を摂ることに変更です。

4月11日 ステージ2:41.3km

今朝は、ちゃんとご飯を食べてからスタート。今日も前半は元気で、コー スもアップダウンか?少なく快調なペCP1(11.5km)まで走る。CP1からCP2 (26km)は砂丘ー川床ー瓦礫とハードに。途中、靴の中に砂が充満して走れなくなり しばらく歩く。

タイムロスを覚悟で靴下を履き直して、走り始める。瓦礫を走るのは 集中力が必要。足の置き場所を選ばないと転びます。慣れてないのでまっすぐ走れずに足が前後左右にづれるので足も疲労しやすい。(砂地よりマシですが)

CP3(34.5km)の手前は瓦礫と 砂地の登り。
途中、猛烈な砂嵐(しかも赤茶色の砂)で砂男のスパイダーマンの状態に。しかし止まってかわす余裕なく、走り(歩き)続ける。下って、少しフラッ トを走りゴール。シャツもパンツもバックパックやキャップも赤茶色に染まりました。
(ガーミンのロク?:40.83km、5:59、400m強のUPDOWN)

4月12日 ステージ3:37.5km

3日目。体調は万全。レース前から3日目にピークが来そうな気がしていたのですが、この日は、急な登り以外はずっと走り切りました。

調子が良かったのであまりコースの記憶がないです。この紀行文を書きながらコース図見ると(レース終了まで全然見ていないです。見てもわからないし)フラットと思ってたけどかなり(半分以上)砂丘走ってました。

この日はガーミンのログがないので詳細わかりませんが、5時間以内で走っていると思う。ビバークのテントに帰ってきたのが2時前だっ た。(前日までは3時前後だったと思う)

4月13日 ステージ4:84.3km

4日目はロングステージです。タイムリミットは明日の夕方まで。
ウルトラで慣れているので、レー ス中の補給はpowebar&shotzとサラミソーセージ(暑いので、塩辛く脂っぽいものの方が喉を通りやすいー経験者からのアドバイス)のみ。

今日もまだ元気でこのステー ジもCP5(55.5km)まではそこそこ走っておりました。CP1(9.7km)のあとは激坂 (まさしく這い登る感じの岩と砂の山)でここは渋滞しました。

CP5が過ぎて少 し走ったところで、エネルギー切れ(ハンガーノックではなくて、練習不足)になり、ここからは、歩いて少し走るの繰り返しになります。途中で日暮れになりヘッドライト点灯。たくさんのランナーがいるからコースアウトの心配はないと 聞いていましたが、周りにあまり人がいなくてかなり心細い。

CP6(65.9km)までは 川床でフラットなのでまだ大丈夫でしたがCP6を過ぎると山越えがあり、たびたび コースアウト。目印にぺンライトが置かれているのですが、ライト消さないと見え ないくらいの明かりで、当然、砂も舞っているので自分のライトに乱反射してますま す見えない。普段は夜、走らないし、走っても真っ暗(星は満天に輝いていますが、本当に真っ暗、音は風の音のみ)の経験はなかったのでパニック状態に。

このCP6 からCP7の間と、初日のCP2~CP3が今回のレースでは一番しんどかった。疲れはてていたので、CP7で休憩しようと立ち止まりましたが、スタッフの人にあと7km(本当 は10kmあった)と背中押されて休めませんでした。(涙、、、)
もう、やけくそで 走りました。少し歩いて、また走ってを繰り返してゴール。

この日もログなしなので詳細は不明ですが、22時台後半にゴール。眠くて、そのままテントで仮眠(だれもゴールしてないので1人でした)。寒さで目 が覚めて、着替えと軽い食事をして朝までおやすみ。(仲間がゴールするたびに起きて声かけてましたが)

4月14日

この日は、前日ゴールした者は休息日です。でもすることがありません。テント 仲間の1人だけが、本日、夕方ギリギリでしたが無事ゴール。日本人のテント5つのな かで、No47テントのみ全員揃って最終日を迎えます。

夕方配布されたコーラ(今回 からスポンサー)のミニ缶の美味しかったのが忘れられません。炭酸と甘さが疲れた体に効きました。

4月15日 ステージ5:42.4km

最終日。前日165位て? フィニッシュしてたのて?1時間遅れのレイトスタート組。
最終日はみんな荷物が軽くなってる(軽 くしてる)のでマラソンの速さ(ー経験者より)と聞いてましたが、ほんとに早い。 スタートゆっくり出たら最後尾。

CP1までは、川床等ほとんどフラット(ただし柔らかめの砂地)なので、気合いれて走りましたが、なかなか前には出れません。CP3からゴールまて?(8km)もフラッ トて?最後まて?走りましたが、結果は178位で前日より落としてしまいました。
完走できたので“良し”としましょう。
(ガーミンのログより:39.81km、5:41)

ゴール後は達成感ではなくて喪失感でしばらくは動けませんでした。テントのメ ンバー8人全員完走で最終のメンバーのゴールはみんなで迎えました。ちょっと感動的でした。

最終日のゴールは横でライブ演奏があり、かなり派手に全員の完走を出 迎えてました。この日は、遅いランナー(歩いてますが)羨ましかったなあ。

4月16日 チャリティラン:17.7km

なんで、チャリティで17kmも走らなあかんの。と、ぶつくさ言いながら最終日も スタート。
今日は、順位は、関係ありません。
早くゴールすると早くホテルに入れると いうことて?テント仲間と走ろうと決めてましたが、足が動きません。(心もエネル ギーも空っほ?)全行程歩かせていただきました。しんどかった。

夕方、ワルザザートのホテルに到着。早速1週間ぶりにシャワーを浴びる。流れるお湯が茶色でした。2回洗ってすっきりしました。

サハラマラソンを振り返って

レースから2ヵ月経過して、すでに過去のものになりつつあります。先に書いたようにレース後は喪失感て?いっぱいでした。

20年近くになるマラソンの最終目標としていたレースだけに十分練習もして臨んた?つもりでしたが、予想どうりにはいきませんでした。
でも、レース時点て?持ってた能力は100%出し切ったのかと思います。
それが、喪失感になったのかと。

反省点としては、アップダウンが多いのでトレランの練習が必要だったかと思います。
それと砂が細かいので、ゲーターはしっかりと取り付けないと侵入防げないし、接着が弱いと1日持たない。(縫い付け+接着剤が良いかと)接着剤は持ってた方が良いですね。

サハラでたくさんの仲間ができて、素晴らしい経験ができました。 もう一度別のデザートレースに出てみたい気がしています。

おわり

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