トップページに戻る 国境なきランナーズ(Runners Without Bordes)
お問い合わせはこちらから サイトマップ English Page
レース情報 レースQ&A メールマガジン 活動報告 リンク
サイドメニュー:レースQ&A
レースQ&Aとは?

このコーナーは、砂漠をメインステージとした(アドベンチャー)マラソンに挑戦する女性ランナーのためのものです。参考にしてください。他にも質問がございましたら runners@runners-wb.org にご連絡ください。可能な限り「国境なきランナーズ」のサイト内でお答えさせていただきます。

田中友佳子●アドバイザープロフィール
田中 友佳子:絵本作家。砂漠レースには2002年のサハラマラソンをきっかけに過去8回出場。
著作絵本に『こんたのおつかい』『かっぱのかっぺいと おおきなきゅうり』『にげだした てじなのたね』(全て徳間書店)などがある。他『ランナーズ』誌等、イラストでも活躍中。

女性のための質問コーナー

砂漠レースの出場回数が多いだけで、まったくもってエンジョイ派の私から、僭越ながら補足のアドバイスをさせていただきます。
アドバイスと言っても、はっきり言ってエリートランナーの方にしてみるとアドバイスになっていません。
「サハラマラソンを楽しむ方法」程度の感覚で読んでいただけたら幸いです。
普段よく聞かれる質問事項をQ&A形式で列挙させていただこうと思います。

Q) 普通の人でもサハラマラソンを完走できる?

A) はい。できます。私がその証明です。
私は初めてエントリーしたレースがサハラマラソンでした。それ以前はレースどころかランニングの経験さえ全くありませんでした。中学・高校はずっと美術部で大学も美大でした。運動センスも昔から全くありません。
ただし、幼少時代を自然の多いところで育ち、野山を舞台に遊んでいたため、どうやら基礎体力はあったようです。
そんな私でもなんとか完走(完歩?)できたのですから、トラブルさえなければ、完走できる可能性は非常に大きいです。
ただし、だからと言って砂漠を甘く見てはなりません。
私が完走できたのは、おそらく根っからのポジティブ思考だからです。今から振り返ると、初出場の時の体と足の状態は限界を超えていました。精神的に最後まで砂漠を楽しめたからこその完走(歩)に他なりません。逆に言うと、それ程素晴らしい魅力が砂漠にはあります。
私の例は極端ですので、やはりある程度レースの経験やトレーニング(別記の大会アドバイスの通り)を積まれてからのエントリーを強くお勧めしますが、完走(歩)のみを目指されるのでしたら、特別に高い走力は必要ないと思います。

Q) 方向音痴でも大丈夫?

A) 大丈夫です。私もかなりの方向音痴です。コース上にはきちんとマーキングがされています。ただし、砂嵐などでマークや他の選手を見失った場合は、慌てて適当な方向に進まず、ひとつ前のマークまで戻ってみることが重要です。また近くに高い場所があったら、そこから周囲を確認してみるのも良いと思います。

Q) 服装ってどんなもの?

A)基本は別記の大会アドバイスの通りです。
私の場合は、上から、キャップ、サングラス、バフ、長袖シャツ、ロングタイツ+ショートパンツ、ソックス、ゲーター、トレイルシューズです。
順に補足説明します。

キャップ:特に夏場のアウトドアショップに売っているもので、普通のキャップの後ろにハンカチ程度の日よけ布がくっついているタイプのものがオススメです。うなじに直射日光を浴びてしまうと、熱射病の危険があるので、それを防ぎます。

サングラス:日差しが強力なので、濃いめのものを。また砂嵐の時は大きめのサングラスに助けられました。サイドにスクリーンがついているものもあるので砂嵐のときには良いかもしれません。

バフ:伸縮性のある布を「わっか」状にしたもので、主にアウトドアショップで売られています。直射日光から肌を守る他、砂嵐の時はマスクのような砂よけになります。また、タオルにしたり、ニット帽のようにかぶったり、女性の方ならビスチェ代わりにもなるので大活躍です。私はゲーターをなくしたときにゲーター代わりにもしました。バンダナでも同じような用途として使えますが、レース中体力が低下してきたときに結び直したりするのが厄介なので、断然バフをお勧めします。

長袖シャツ、ロングタイツ、ショートパンツ:出場者全体を見ると半袖・短パンが圧倒的に多いのですが、私はずっと長袖シャツ、タイツ+ショートパンツスタイルです。紫外線は体力を奪うと言いますし、空気が乾燥しているので長袖シャツ、ロングタイツでも大丈夫です。砂漠に住む現地の人が、頭や体全体を風通しの良い着衣で覆っているのを見ても、必ずしも半袖だから涼しいとは言えないと思います。また、女性で日焼けを気にされる方は、日焼け止めをたっぷり塗るより長袖シャツ、タイツスタイルがオススメです。ショートパンツをはかれる方は、ポケット付きが便利です。

ソックス:私は登山用で一番薄いタイプかランニング用で厚めのソックスをはいています。汗を溜め込まない素材である事が重要です。

ゲーター:川床など地面が硬い場所では必要ありませんが、Dune(砂丘)では必要です。登山用のゲーターに関してはロングタイツに直接装着すると、ふくらはぎ部分がゆるめのものが多いようです。男女兼用のサイズなので、特に女性やふくらはぎの細い方は砂漠で装着するのと同じ状態で試着してからの購入をお勧めします。ゆるいといくら長めのゲーターを購入しても、巻き上げた砂が隙間から入ってきてしまい、マメの原因となります。

シューズ:私はトレイル用のシューズをはいて行きます。ゴアテックスだと砂は入りにくいですが、どうしても蒸れてしまいがちです。ゴアテックスではないものを選ぶときは、メッシュの粗さを光にすかして確認するなどして、細かいものを選ぶと良いと思います。

Q) バックパック、ウエストバックはどんなもの?

A) 基本は別記の大会アドバイスの通りです。
私は35〜45リットルの幅で大きさ調節ができるものを使用しています。というのも、後に書いている通り、私は他の人より食料が多いため、初めの2-3日は大きいバックパックでないと入らないからです。
最近はお店の売り場に女性用のバックパックが増えてきました。私はここ4レースくらい女性用のバックパックで走っていますが、男性用のものを使っていたときと比べて疲れ方が全く違います。非常に良いです。体型にもよりますが、特に肩幅の狭い女性の方は、女性用のバックパックを購入されると良いと思います。
また、山をやられる方はパッキングが上手なのですが、私はとてもヘタクソです。パッキングが上手でないと、長い行程、とても疲れます。私のようにパッキングが上手でない方は、背面が比較的しっかりしたバックパックを選ばれると良いと思います。ただし、柔らかいものに比べ、重量が重くなるのでバランスをみて購入してください。
また、私はショルダーハーネスの部分に、自転車のフレームに取り付けるボトルケージを装着できるように工夫しています。私にとってハイドレーションシステムは使いにくいので、ボトルをすぐに取り出して水分補給できるようにするためです。
ウエストバックは最近バックパックとセットになって売っているものもあるようですが、私は全く別々なものを使っています。
ここには行動食や救急医療用具、日焼け止めなど、すぐに取り出したいものを入れています。
なお、バックパックを含めた重量ですがサハラマラソン(6ステージで約230km)では、水は含まないで各自の所有物の重量制限は、6.5〜15kgと決められていますがスタート時は、10Kg前後の装備をメドに計画するといいと思います。。

Q) 日焼け止め対策はしているの?

A) はい、してます。
サングラスとバフで顔の大半を隠していますが、苦しくなったり暑くなるとバフは外します。さらに顔にはSPF50/PA+++/ウォータープルーフの日焼け止めも塗っています。きちんとした洗顔ができないのですが、皮膚科の先生に「日焼けをしてしまうのと、ウォータープルーフの日焼け止めを7日間完全に落とせないのとどちらが肌に悪いか」という質問をしたところ、「日焼けをする方が悪い」という回答が返ってきました。一応毎晩拭き取るタイプのメイク落としシートで拭き取っています。男性の方も日焼けをすると火傷のようになって痛いので、焼きたい方でも顔や手足など、露出部分には日焼け止めを塗っておいた方が良いです。
ちなみに、過剰に日焼けを気にすると、サハラが楽しくなくなるので「焼けたら焼けたで仕方がない」というくらいの感覚で行くのが良いと思います。

Q) 食料はどんなもの?

A) 基本は別記の大会アドバイスの通りです。
記録や順位を狙われる方は、軽くて高カロリーなものを徹底して持って行かれると良いと思いますが、私はエンジョイ派なので、周囲もびっくりするほどの余計な食料を持って行きます。私にとってサハラマラソンは「旅行」的な楽しいイベントなので、「食」も楽しまねばもったいないと思ってしまうのです。例えばドライマンゴーなどの重くても大好きな嗜好品やうるめイワシなどのおつまみ系、ふりかけや水でもどすサラダ、あまーいココアなど、ジャンルも様々です。夕飯の主食は私にとってはスープと一緒に食べられるラーメンが一番おいしく感じられます。重いですが、液体スープやレトルトの具がたくさん入ったラーメンはいくつか持って(かさばらないようにカップから出していきます)、頑張った日のご褒美にいただきます。ごはんはちらし寿司など酸っぱい味付けのものがおいしく感じられました。半生の梅干しもおいしいです。ハンバーグも持って行った事がありました。また、レース集合地点のパリには日本で売っていないおいしいフリーズドライ食品が売られているので、パリで買い物をする時間がある方は、探してみても面白いです。
全ての持ち物の中で特に食料は個性が出る部分です。ご自分の嗜好に合わせていろんなものを試されると良いと思います。
ただし、やはり荷物が重いと前半のレースが厳しくなります。一番重いものは初日に食べてしまうなど、食べる順番も考慮しつつバランスをみて持って行かれると良いと思います。ちなみに私は、初日の朝食はレースに響かないので、これから始まるレースの景気付けという感じで豪勢にしています。

Q) 毎日過酷な場所を走って体調は維持できるの?

A) 別記の大会アドバイスに書いてある通り、発熱したり寝不足に陥ったりする選手はいます。私は脱水症状になった事がありますが、これに関してはこまめな水分補給(水だけではなくスポーツドリンクや塩分も一緒に)をする事で防げます。
また、女性は生理周期が大幅に乱れる可能性があります。万が一のときはメディカルにもナプキンの用意はあるようですが、日本で使い慣れたものを念のためお持ちになる事をお勧めします。

Q) 持って行くと便利なものってあるの?

A)基本的には必須装備に書かれているものを持って行けば大丈夫ですが、砂漠ではいろんな装備が壊れやすいので、私は紐や輪ゴムなどいろんなものの修理に役立ちそうなものを持って行きます。