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サハラマラソン挑戦記
挑戦者: ハシモト ヒサシ
橋本 久
レース: 第29回サハラマラソン

第28回サハラマラソン挑戦記

昨年の大会(28回)の後、「次は30回大会に出ようかな」と妻に話したところ、「再来年(30回)出られる保障はあるの?」「出られる時に出たほうがいいんじゃないの」の一言で出場を決めました。28回大会で60代のカテゴリーで1位の選手(確かフランスの人)に合計タイムで2時間近く離されての2位(1位以外表彰されません)だったので、6ヶ月以上前からトレーニングを始めました。毎週8kg以上の荷物を背負って、スピードは関係なしにとにかく持久力強化を中心トレーニングしました。その結果は、はたして?

砂漠マラソン挑戦のきっかけ(2011年1回目のサハラマラソン)

2010年に地元の新聞(岩手日報)に載った、岩手県出身の飯田徳子さんが女性の70代で優勝したときの記事がきっかけで2011年27回大会に出場を決意しました。トレーニング、装備、すべてが手探りの状態。周りの友人(銀河岩手鉄人会)に100キロを走る人はたくさんいますが、海外のウルトラマラソン、ましてや砂漠のマラソンに挑戦したことのある人は皆無。国境なきランナーズからの情報だけがたよりでした。結果は40時間55分で242位でした。

2回目の砂漠のマラソン(2012年アタカママラソン)

1回目の大会で知り合った飯田さんから、橋本さんは若いんだからこれより厳しいといわれているアタカマクロッシングに出たほうがいい、とのお言葉を戴き、2回目はチリのアタカマ砂漠にでかけました。高度が高いため、高度障害対策と寒さ対策に工夫が必要でした。テントも国別でないため多くの国の人との交流ができ楽しかったです。結果は34時間で31位。ここでは60代で2位、惜しかった。

3回目の砂漠のマラソン(2013年2回目のサハラマラソン)

昨年の思い出は、今年も日本人1位となった杉村さんとの出会いです。最初はテントも異なり、走りも速いので話す機会も少なかったです。オールナイトステージの後半、これでもか、これでもかと体が壊れるんじゃないかと思うほど走っていたら杉村さんに追いついてしまいました。その後ゴールまで2区間ほど抜きつ抜かれつ走り(歩き)、ゴールで抱き合って健闘を讃えあいました。この時の感動が忘れられず、また出ようと、思いました。結果としては1回目より総合タイムで10時間ほど短縮しましたが、60代では2位でした。

4回目の砂漠のマラソン(3回目のサハラマラソン)

昨年の苦やしさをバネに、1.5倍トレーニン量を増やしました。28回大会前は5〜6時間のLSDを毎週末7〜8時間を最低ノルマとし最終的には10時間走を2回ほど実施しました。結果はM3(60代)カテゴリーで2年連続2位。よほど表彰台に嫌われてるみたいです。もし、次の挑戦があるならば

タイムを狙うのであれば、秘訣は軽量化の一言。食料、寝袋、マット、食器はもちろん、着替えも最小限、水の持ちすぎもだめ(歩きの人は別)。そしてトレーニング。仲間を作って競争したほうが断然力がつく。情報交換も大事(特に地方の人は不利)。あとは、気持。何を求めて参加するのか、明確に意識し、とことん自分を納得させること。

今年の大会(29回)を振り返って

3回目の挑戦でしたが、今年もたくさん思い出、出会い、感動をもらいました。50位以内を公言しチャレンジした杉村さん(なんと51位)、フルマラソン2時間52分の菊地さん(広島)、30日間毎日フルマラソンを走ってギネスに載ってる高橋さん(新潟)、牛さんこと牛の縫いぐるみで挑戦2回目の横山さん(宮城)、岩手県人3人目の佐藤さん、そしてNO56テントの銀ちゃん、ペロちゃん、修造、落司、しんや、15回出場の羽隅さん(東京)、腎臓を1個お兄さんに移植した三浦さん(北海道)などなど。

高額の出場料を支払い、手元に残るのは完走メダルと完走Tシャツだけ(棄権した人はこれさえ残らない)。だけど、食料が少なくなったとき食べたチキンラーメン、苦労話をしながら食事を一緒にともにしたNo56テントの仲間。些細なことですが、レースの結果以上にこうした時の食べ物の有り難さ、仲間の励ましあいや思いやりが一番嬉しかったです。また、レースの最中昨年のメンバーからメールが来たことも忘れられません。1年以上ご無沙汰している私を忘れず、日本から応援のメッセージ送ってくれ涙がでました。ここでお礼を述べます。

人間、本当に苦しんでる時に人の優しさや思いやりが初めて実感できるといいます。まさしくこれです。4回目の砂漠のマラソンでも目標は叶いませんでしたが、こうした感動は一生心の奥底に残るものです。年齢、過去の経験など関係なくチャレンジした者だけが体験できる感動。それは言葉では到底言い尽くせない生きる力となるものです。

※次のチャレンジャーは君だ!
以上

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