トップページに戻る 国境なきランナーズ(Runners Without Borders)
お問い合わせはこちらから サイトマップ English Page
レース情報 レースQ&A メールマガジン 活動報告 リンク
サイドメニュー:ネーチャーマラソンとは?サイドメニュー:レース一覧サイドメニュー:レース体験記
サハラマラソン挑戦記
挑戦者: 坂口靖明
レース: 第22回サハラマラソン
期間: 2007年3月23日〜4月2日

3/24 サハラマラソン レース前日

サハラ砂漠での本格的な生活の開始。朝食を終えると各自荷物の整理をし、荷物検査へ。
7日分の生活物資をここで決断せねばならない。午後は自由時間で、夕方には前日祭が行われた。みんな円を描くように集まっていたので、自分のための舞台だと勘違いして僕はセンターで踊った。日本の国旗を借りて、日の丸を世界にアピール。クレイジー・ジャパニーズ!と有名になる。ここに来るだけでみんなクレイジーだぜ・・・

3/25 サハラマラソン 1stステージ

朝一でベルベル人にテントから追い出され、地べたでの自給自足が始まった。
初日の目標は景色を楽しむこと、怪我をしないこと、なにより無難に終わること。要は明日につなげることが大事。こまめな水分補給を心掛けたが、CP1までで水が500mlも減ってない。体調がいいのでさほど気にも留めずCP2も通過して、小高い丘に立つとBP(ゴール)が見えた。一気に行ってしまおうと走り続けたが、なかなか近づかない。これがサハラマジックか・・・
最後は欧米人と手をつないで笑顔でゴール。

3/26 サハラマラソン 2ndステージ

昨日よりもペースを上げた。ただ水分補給は同じペースで行っていたので、それが仇となりフラフラでCP2到着。即刻メディカルに連行され、1時間休憩したあと、「君は脱水症状にかかっている。血圧が低すぎるので点滴をするがいいか?」と聞かれた。ペナルティとのことなので断り続けたが、周囲から説得され、受け入れざるを得なくなった。
再スタートするころにはビリになっていた。でも体が復活したので、ドクターにお礼を言って、元気に走り始めた。CP3過ぎにとてつもない絶壁の山越えがあり、途中動けなくなっていた怪我人を発見し、救助を手伝ったりしながらも、なんとか制限時間内にゴール。

3/27 サハラマラソン 3rdステージ

昨日のこともありとても慎重に歩き中心でレースを進める。でも歩き慣れてないせいか、マメの影響もあって足が極限状態まで痛む。特にCP2のあとの砂丘→山越えエリアはひたすら無言で耐えて前進。ゴール後には足のマメは記念すべき10個を突破。

3/28−29 サハラマラソン 4thステージ

70km以上のロングステージだが、開始2〜3kmで早くも足が痛み出し、走るのをやめて歩き出す。CP1過ぎで限界に達し、前に進めなくなる。そこへ3時間遅れでスタートしたトップ集団が次から次へとガゼルのように駆け抜ける。彼らの走りに元気をもらい、休みながらCP3まで耐え抜いた。ここで蛍光スティックが渡され、じきに日が暮れた。ここから10km近く続く砂丘はまさに地獄。足は極限状態、砂嵐もやってきて、目印を見失い迷いかける。孤独になると暗黒世界に恐怖さえ覚える。20時過ぎ、CP4で寝ることにし、目覚めると朝6時近く。完全に寝すぎた。選手もほとんどおらず、30km先のBPで昼食をとることを目標に走り、13時頃無事生還。

3/30 サハラマラソン 5thステージ

私にとっては人生初のフルマラソン42.2km。記念日なので、両太ももに巨大な水ぶくれを作りながらもCP3まで頑張って走る。しかしゴール手前約8kmのところで足に激痛が走り、異常なほど巨大なマメが両足にいらっしゃるのに気付く。とりあえずゴールを優先し、そのまま足を引きずり歩いた。抜き去っていく外国人に優しく励まされると、無様な初マラソンが悔しくて、情けなくて何度も涙が出た。ゴールしたときには立っているのも精一杯で、とめどなく泣き続けた。

3/31 サハラマラソン 6thステージ

最終日ともあってスタート前はお祭り騒ぎ。長い砂丘地帯では歩きを入れつつも最後は涙を流しながら猛ダッシュ。完走メダルを首からかけてもらったときには、この雄大な大地にすべてを解き放つように涙が溢れ出た。

「動機」と「レースを終えて・・・」

私は人より少しだけ旅が好きな人間。旅は私にとって勝負であり、その究極はサハラマラソンという過酷な環境で生き抜くことだった。このレースを初めて知ったのは出場する約10ヵ月前のテレビ放映。私の目に飛び込んできた世界に衝撃を受け、出場を即決意。マラソンはおろか運動という運動は中学の部活動以来。そんな私を完走へと導いてくれたのは、サハラで勝負することへの強い気持ちと、周りの人々の支え、そして共に闘った仲間がいてくれたからだと思います。すべてに感謝の気持ちでいっぱいです。
そして次なる旅へ、また少し強くなった気がします。

私のブログでより詳細な体験記・対策を残しておりますので参考にご覧いただければと思います。

ブログ「ぐちぉのあほんだら、ぼけ〜:僕には僕の旅がある」

http://guchionotabi.air-nifty.com/oppeke/2007/04/post_098c.html(完走記長編)
http://guchionotabi.air-nifty.com/(トップページ)

レース体験記一覧に戻る