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レース体験記:サハラマラソン挑戦記

挑戦者:片山義規(香川県香川郡 26歳)
レース:第16回 サハラマラソン挑戦記
結果:総合611人中78位 タイム:32時間45分45秒 トップと14時間3分35秒差
日本人男子ではトップ。

2001 Sahara2001 Sahara

去年に、ひきつづき2度目の挑戦
去年は、思うように走れず、悔しさを残したレースだった。
2度目ともあって、去年より荷物の重量が3kg減。一番の失敗の原因であった、足回りも万全。自信があった。
今年は、3つの目標をもって挑んだ。

第1ステージ 25km
昨年は、風に苦労したが今年は、快適な朝だった。
初日のスタートは、いきおいがあってのみこまれそうだ。
コースは、ところどころ小さい砂丘がある程度で走りやすかった。
装備重量は、水を含め約12kg重さを感じることなく走れたが、周りのペースにつられて、後半ばててしまい79位でゴール。

第2ステージ 34km
今大会一番砂丘の続くステージ。
2km地点ぐらいから砂丘列のはじまり。CP1(6.5km)で500mlの水を受け取り、CP2(15km)まで砂丘。
私は砂丘のコースが楽しみだった。高い所から、見渡す砂丘は、黄金色の海のようだ。そこを走るのは、孤独と苦痛。それがまた楽しい。
前の選手に追い着くと、こっちを向いて、いきなり吐きだし。気持ちはわかるが、私の顔を見て、吐くなんて、なんて失礼な奴だ!
残り4kmも砂丘だったが、気持ちよく走れ62位でゴール 総合60位
しかし、目標の1つであった、「無傷でゴール」が早くも終わった。靴下を脱いでみると、マメが数個できていた。

第3ステージ 38km
朝起きると、体調が少し変だ。昨夜暑く、寝袋の上で寝てしまい、のどが痛く、鼻づまり、おまけに下痢。
この日のコースは、干上がった湖、石だらけの山、乾いてひび割れた土地、村などがありなかなか楽しましてくれる。
のどが、痛かったのもあり、水を飲みすぎ、次のCPまで水がもたなかった。あともう少しのはずが、なかなか見えず、とうとう歩いてしまった。一度気を抜くと、疲れがいっきにくる。目の前には山、しかも砂丘!究極の罰ゲームを受けている気にさせられる。
谷間へ下った後、やっとCP発見。地獄に仏だ。水を渡してくれた女性に、最高の笑顔で「Merci」と、さわやかさ120%だったと思う。
なんとかもちなおし、48位でゴール 総合52位

第4ステージ 82km
この日は、スタートが2組に分かれる。
男性上位50人 女性上位5人が、後半12時スタート。
2つ目の目標であった、「第4ステージの後半スタート」 私は、50位ギリギリで目標達成!
しかし、昨日からお腹の機嫌がよくない かなりご機嫌ななめ。ここまでくると、ラッパのマークも役に立たない。
いざスタート前、いままで600人以上いた選手が、今日は55人。緊張した。
15kmぐらいからだんだん失速、体調が変だCP2(21km)が見えたが走ることができない。
CP2に着き、テントがあったので横になり休憩。うとうとしていたら、突然の強風で、テントは全壊。「早く行け」と、追い出されているようだった。
しかたなくテントを後にするが、歩くのが精一杯 進んでいる気がしない。前には、2〜3人小さく見えるが、後ろには、誰もいない。まだゴールまで60kmはある、頭がボーとしてくる、何度やめようとしたことか。しかし、男!片山義規26歳「ここで終わってたまるか!」と、気合いをいれるが、お腹の怒りが頂点へ。何度もしていると、ティッシュに血が、キレ痔?おまけに尿が赤ワインのようになっている。「なんじゃこりゃ! なんじゃこりゃ!」と、ほえてみたが、誰もいないむなしい。
「えいくそ やれるだけ やってやれ」と、開き直る。
涼しくなるにつれ、気分がよくなり走れるようにった。面白いほど、どんどんほかの選手に追いつく。しかし、人間の体はそううまくは、できていなかった。あたりが暗くなると、また体が変だ。気温は下がり、歩いているのに、背中は汗でびっしょりだ。
最後のCPから、ゴールまでの14kmが、とてつもなく長く感じ、3時間以上はかかった。
ゴールに近づくにつれ、風が強くなる嫌な予感がする。
半泣きになりながら、午前2時すぎ125位でゴール 総合89位
3つ目の目標の、「最高でも50位以内 最低でも50位以内」が絶望的だ。
ゴール後、嫌な予感は的中。テントはくずれ、敷物はくしゃくしゃの砂まみれ。残酷だ!
朝になり、まだ帰ってきていない選手はたくさんいる。
この日は休養、足にまいていたコンピートをはがすと、血が流れ出し、爪がずれている。
メディカルで、治療してもらったが、いたる所にコンピートとテーピングで、靴がかなりきつくなった。足も体調も最悪、悲観的になってしまう。
こういう時に、励みになるのが、友人や去年の参加者からのメールだ。元気づけられる。

第5ステージ 42km
コースは、カスバがあり村人の応援もあった。
一緒に走る子供もいた。石がゴロゴロしている所でも、元気に裸足で走っている。
これがなかなか速い。むきになり、ついつい張り合ってしまう。
この日は、不思議と全然疲れない。ペースが上がっていくが平気だ。
前に走っている選手の、背中が見えれば追いつける自信があった。
サングラスを投げて、スパート気分だった。
25位でゴール 総合78位

第6ステージ 22km
最後なので、「燃えたよ まっ白に 燃えつきた まっ白な灰に・・・」が、言えるくらい爆走をこころみたが、10kmぐらいから走れない、調子がいいときは、前しか見ないが、悪いときは、後ろばかり見てしまう。
くやしい最後なのに走れない、どんどん抜かれていく、情けない。
ゴールが近づくと、村人たちが応援してくれる。声援にあとおしされながら156位でゴール 総合78位
くやしさはあったものの、やはりゴールするとうれしいさと、充実感がある。
何年後になるかわからないが、もう一度挑戦したい。
このままで、終わるわけにはいかない。

以上

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